あたまの中の景色
朝、目覚めると雨が降る音が聞こえてきました。
いいタイミングの雨、来てくれてありがとう。
しばらく、とても暑い日が続いていて、
近くの庭木がなんだかしょんぼりしてきていたから、
この雨で、しゃっきりと生き返って見えるかな。
朝起きたときに、一番に頭に浮かんだことが
「雨が降ってよかったな、ありがとう」だった。
これまでの過ごし方を変えることのできたから、
こころにゆとりをもてる自分でいられるのかなと
嬉しくなっています。
うつだった頃の頭のなか
7年前に、うつがひどく1年ほど休職していた時期がありました。
そのころ、朝起きて一番の頭のなかには、
「今日は何をしなければいけない日だったかな？」
今日、すべきことを思い出すための質問が浮かんでいました。
そして、天候の変化は、体調の変化時。
空を見上げるのは、体調の悪さを予測するためで、
「雨が降ると樹が生き返るかも」と感じることのできる
心のゆとりはありませんでした。
ゆとりがない気がしていた理由は？
休職しているから、朝起きて仕事へ向かうわけではありません。
それでも、毎日、自分の予定を確認していました。
そのうち、どうしてうつになってしまったのか、
ぐるぐると思考の迷路にはまる時間に突入。
「自分が悪いのではないか」と必要以上に自分を責め、
「具合が悪すぎるから。もう、元の元気な生活には戻れない」と悲観して。
「休まなきゃ」と、懸命に休もうと努力をし。
その結果、休んでいるのか焦っているのかわからない状態に。
自分のあたまが、大きな声で独り言を続けている感じ。
それも、自分自身の内側を心配して話すわけではなく、
周りに対して、自分はどのようにふるまう「べき」なのか。
なぜ、わたしはできていないのかを「責める」内容。
こうなると、
こころのゆとりのために作られた時間が、ゆとりとはならず。
改めて、自分自身を攻撃するための時間へと変わってしまう。
こころのゆとりを取り戻すきっかけ
こころのゆとりを、自分を責める癖で埋めていってしまうのは、
自分を責めてしまう自分の中の声が聞こえ続けるから。
その自分の声は、とても大きくて、次々とあふれてくる。
だから、自分の中から聞こえてくる声におとなしくなってもらえばいい。
「無」になれればいいんだ。
...ということは、瞑想がいいのかな？
瞑想と座禅が同じものだと思っていたわたしは、
座禅を定期的に教えてくれている寺を探して、
座禅を2度、習いました。
座禅の勉強会の中で、
あたまの中を無にしていく方法として、
何も考えないようにしようとしなくてよい。
あたまに浮かぶものは浮かぶものとして、おいておく。
景色を眺めるように、あたまのなかを眺めると教わりました。
わたしの頭の中から聞こえる声はとてもうるさくて、
2度しか行けなかった座禅の学習だけで
おとなしくなったわけではないけれど、
少しだけ、頭の中の声とのつきあい方が見えたように思いました。
あたまの中を景色として眺める
そらに雲が流れるように、
あたまのなかにことばが浮かんで流れている。
あたまの中で、うるさいくらい自分を責める声が聞こえるとき、
そらは厚い雲でおおわれ、雷がびかびか光っている感じかも。
台風が来ても、嵐が来ても。
その天気ばかりが続く日はないから。
ああ、今日は雷の日なんだな。
ぼんやりとあたまの声をきいていたら、
自分を責めることに忙しい、あたまの中の声が、
知らない言語で聞こえてくるような、
うるさいくらい鳴いている鳥の声のような感じへと
聞こえ方が変わってきました。
うるさい声を止めようとして意識を向けると
ますます大きくなっていた声。
景色のようにながめていると、落ち着いてきました。
今も、瞑想をするときに
あたまのなかを、ことばの雲が流れていきます。
黒い雲も白い雲もあって、刻々と空は変わっていくけど。
あるものはあるから、ま、いいか。
そんな気分になれるときが増えてきています。
いろんな空がある。
黒い雲たくさんの空も、白い雲が流れては消えていく空も。
どんなそらでも、雲の上は澄んだ青空。
だから、きっと。大丈夫。
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