夏に見る夢1
小さいころから 夏になるとみる夢がある。
数夜連続(たまに、あいだ2-3日あくことも)で、
最終夜はダイジェスト版。数夜分の夢を1夜で連続してみる。
暑くなったばかり7月の初めから7月末にかけてその夢をみるのだけれど、
最後のほうは、現実世界のじぶんの食欲も失せていて。
「夏バテの夢」とか、その内容から「終戦の夢」と呼んでいる。
以下、夢の風景。
<はじまり>
青空が抜けるように深く、遠くにある午後。
わたしは、草の影にとらえられ、自由を奪われる。
わたしは、思う。
大好きだったひとにはもう会えないんだ。
このまま、人ではいられない。植物になって 種を生もう、と。
もう、わたしに性別もいらない。
奪われた自由は息苦しく、ひとでありつづけることをやめようと決意する。
青空が抜けるように深く、遠い場所にあるような空の下。
小さな女の子の手を引き、もう少し大きなこども2人とわたしの4人で
開けた原っぱを逃げる。
原っぱの周辺には灌木があるけれども、空からの追手から身を隠すには頼りない。
原っぱの向こうの村に逃げ込まなければ。
空からの追手の大きな影を一度はやり過ごす。
わたしの自由を奪った草陰だけれど、今回は守ってくれた。
安堵しかけたとき。
連続する銃声(機関銃?)がわたしたちを襲う。
再び原っぱへ追いたてられて逃げる。
銃声は続き、確実にとらえられる。(子供がこのあたりで1人消える)
この子だけは。
あと少し。(このあたりで、左わき腹に痛みが生じる。たぶん、打たれた)
用水路に2人となった子どもたちを押し込み
わたしは蓋になる。
腹がより熱くなり、からだから血からと光が抜けていく。
あの子は無事に逃げただろうか。
…そう、思うあたりで意識が途切れて朝を迎え、夢から覚める。
自分が小学生になる前から、気づくと夏にこの夢を見ていた。
草の手触りや逃げているときの息苦しさは、夢の中でも明瞭で。
なにがなんだか、わからない。
ひたすら苦しいと思う夢だった。
今年も、また。同じ夢を見始めた。
けれども、同じ夢なのだけれども、見ている視点が追加された。
いつもの登場人物としての視点のほか、無事を願う天の視点のようなものが加わった。
同じ夢だけれども、他の人の苦しみが軽くなりますようにと願いながら見る夢となっていた。
この夢。
なにを思っている夢なんだろう。
~夏に見る夢2 に続く